西郷どんが長身だったのはなぜ?
NHK大河ドラマ「西郷どん」ですっかりおなじみの西郷隆盛さん。西郷隆盛さんは、なんと!身長が180~182cmもあるとっても大柄な男性だったと言われています。
現代でも180cmあれば長身ですけど、当時日本人の成人男性の平均身長は155cm程度しかありませんでした。西郷さんはさぞかし目立っていたことでしょうね。
実は大きかったのは西郷さんだけではありません。同じ薩摩藩の大久保利通さんは身長178~183cmだったと言われています。他にも薩摩藩には大柄な男性が多かったとされます。
しかし、現在の都道府県別の平均身長を見ても、特に鹿児島の方たちの平均身長が大きいわけではありません。なぜ当時の薩摩藩には大柄な男性が多かったのでしょう?
薩摩の人たちは昔から豚肉を食べていた!
日本では縄文時代までは狩猟と採集の生活を行っていました。縄文時代の遺跡からは、イノシシやシカなどの他、キジやハトなどの鳥、タイやフナなどの魚、貝やカニなどを食べていた痕跡が見つかっています。
しかしその後、農耕が始まると、庶民の食事はお米中心になりました。仏教が広まると、動物を殺して食べることは禁じられるようになり、精進料理が食されるようになりました。
こうして日本人の平均身長はどんどん縮んでいき、江戸時代にもっとも低くなったのです。江戸時代の平均身長は男性155cm女性145cnとかなり小柄でした。
ところが薩摩藩の人たちは例外で、彼らは豚肉を食べていたそうです。薩摩は火山灰が堆積した土地で、あまり米作りには適していなかったせいでしょうね。
米作りにはあまり向かない土地でしたが、サツマイモの栽培にはぴったりだったのが薩摩藩です。白米ばかリ食べる江戸の人たちは「脚気(かっけ)」という病気にかかる者が多く、それで命を落とす人もいましたが、薩摩の人たちはほとんど脚気にはかからなかったそうですよ。
脚気はビタミンB1不足によって起こりますし、糖質の摂りすぎはビタミンB群を大量に消費するんです。豚肉にはビタミンB1が豊富ですし、成長に欠かせないタンパク質がたっぷりです。
またサツマイモは、お米などと比べるとビタミン類が豊富で食物繊維も多く含まれています。薩摩藩の人たちはとても健康的な食生活だったのかもしれませんね。
なぜ差がなくなったのでしょう?
先ほども書きましたが、現代では鹿児島の方たちとその他の都道府県の方たちの間で身長の差はなくなってしまいました。これはなぜでしょう?
戦後、日本人の平均身長は急激に伸びました。現代では日本人の平均身長は男性171cm女性158cmになっています。下のグラフはタニタからだカルテ様のサイトからお借りしました。
これだけ短期間で人々の平均身長が急激に伸びたことは、遺伝では説明が出来ません。遺伝子は短期間で変化しないからです。では戦後何が変わったかと言えば、食事の内容です。
もともと日本人は男性で身長171cm、女性で158cmぐらいの身長になる素質は持っていたのだと思います。しかしタンパク質をはじめとする栄養が足りていなかったのでそこまで伸びなかったのでしょうね。
昔はともかく、現代では日本のどこに住んでいても食事の内容は大差なくなりました。薩摩以外の人々も、十分にタンパク質を摂取することが出来るようになりましたね。だから平均身長の差がなくなったのでしょうね。
お肉をしっかり食べて大きくなりましょう!
いかがですか?成長期の子供はお腹がすくものですが、お米やパンばかり食べさせていても身長は伸びず、ただ太って横に大きくなるだけです。太りすぎると成長期が早く来てしまい、最終的な身長は低いままで終わってしまうことがあります。
もちろん遺伝子による限界はあるにしても、その遺伝子の限界内でなるべく背の高い子に育てたいなら、西郷どん達を見習ってしっかりと肉や魚を食べさせましょう。
オランダの人たちは世界一背が高いことで有名ですが(男性184cm女性171cm)、意外なことにここ150年ほどの間に平均身長が20cmも伸びたんだそうですよ!
オランダの人たちの平均身長が伸びた理由については諸説ありますが、昔は現代ほど庶民がたっぷり食べることが出来たわけではなかったようです、やはりカギは食生活でしょうか。
オランダではニシンなどの魚やチーズをよく食べています。日本人の食卓にも上手に応用したいものですね。