夜食には糖質がぴったり??
最近では、小学生の頃から塾に通って遅くまで勉強を頑張っているお子さんや、親御さんの仕事の都合などで夕食を食べる時間が遅くなってしまうお子さんも少なくないでしょう。
そして、受験勉強のお供の夜食はお子さんにとって楽しみの一つになっているかもしれませんね。しかし、成長期のお子さんの夜食の選び方を間違えると身長の伸びを妨げることになりかねません。
もしかしたら「勉強をするためには脳がブドウ糖を必要としているから…」などと考えて、お米などを中心にした夜食を食べさせているお母さんもいらっしゃるのでは?また、カップラーメンやうどんを食べているお子さんもいらっしゃるかもしれません。
もしそうだとしたら、今日からはそういう糖質ばかりの夜食はきっぱりとやめさせてください。今からその理由をお話しますね。
夜食に糖質を摂取すると眠くなります!
ヒトの脳はブドウ糖をエネルギーとして使いますが、そのために必要以上に糖質を摂取する必要は全くありません。むしろ摂りすぎに気を付けるべきだと思います。
健康な人の場合、空腹時の血糖値は70~110mg/dLという非常に狭い範囲にキープされています。健康なお子さんの場合だと80~90が多いでしょう。
食事から糖質を摂取すると、すぐにエネルギーとして使わない分は「インスリン」というホルモンがグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄え、蓄えきれない分は脂肪に変えてしまいます。
なぜあわててインスリンが糖質を脂肪に変えてしまうかと言うと、血糖値が上がりすぎることは人体にとってとても危険なことだからなのです。
ブドウ糖が人体にとってすごく重要なら、そんなに急いで血糖値を下げてしまう必要はないですもんね。本来、ヒトはたくさん蓄えてある体脂肪をメインのエネルギーとして使うようにできていて、糖質はいわば緊急時用のエネルギーだったのです。
血糖値が高い状態が長く続くと、目や腎臓などのあちこちの細い血管が詰まり始め、最悪の場合は失明したり人工透析を導入したり、脚を切断しなければいけなくなってしまいます。
近年では子供の肥満や糖尿病も増えてきており、大きな問題になっています。香川県の調査では、小学4年生の児童の10人にひとりが糖尿病予備軍の状態だと分かったそうです。調べていないだけで、きっと他の都道府県でも大差ないのでは?
生まれつき脂肪を上手にエネルギーとして使えない難病などでない限り、わざわざ糖質を食べなくても肝臓で「糖新生」といって、タンパク質や脂肪などから糖を作り出すことが行われています。
このおかげで、私たちは低血糖にはなりません。断食や遭難などでずっと何も食べられないといずれ血糖値は下がってきますが、これはタンパク質や脂質などの「糖新生の材料」を何も食べていないせいです。
低血糖にならないということは、脳にも必要なブドウ糖はちゃんと届いているということです。むしろ、糖質を摂りすぎると血糖値が上がり、その後急激に下がる時に強烈な眠気に襲われるのです。
みなさんも子供の頃、5時間目の授業でやたらと眠くなった経験はありませんでしたか?それは糖質の影響なのです。
北九州の三島塾では、塾生さんたちに糖質制限指導を行い、みなさん成績UPしたり、落ち着きのなかったお子さんが精神的に穏やかになるなど、とても良い効果が出ているようです♪
寝る前に糖質を摂取すると成長ホルモンが出にくくなる
夜食で糖質を摂取すると眠くなるだけではなく、睡眠中にたっぷり分泌されるはずの成長ホルモンが出にくくなってしまいます。
インスリンと成長ホルモンは拮抗ホルモンなので、インスリンがたくさん分泌されている時には成長ホルモンは分泌されにくいからなのです。
ボディビルダーの方たちは寝る前にも食べて筋肉を増やそうとしますが、通常、ゆでたササミや糖質がほとんど含まれていないプロテインなどを飲むようです。
糖質ではなくタンパク質であれば直接血糖値を上げることはありませんので、それほど成長ホルモンへの影響はないでしょう。
ただし胃の中に何か入っている状態で寝ること自体が良くない場合もあります。まだ体が未完成のお子さんであればなおさら、気をつけたいですね。
どうしても何か夜食を食べないと眠れないのであれば、卵スープなど、タンパク質中心であまり重くないメニューにするとよいでしょう。戻した高野豆腐をさっとだし汁で煮て水けをきってトーストし、ハムやチーズを挟んだサンドイッチも美味しいです。
よっしーの息子たちは「身長が伸びるかもしれない」と言って寝る前にチーズやゆで卵を食べていた時期もありましたが、何も食べずに寝ている現在のほうが明らかによく身長が伸びています。