江戸時代の日本人はかなりの胴長短足だった
個人差はもちろんあると思いますけど、典型的な日本人体型というのは欧米人と比べて身長が低いだけではなく脚が短い傾向があるようです。
「脚の長さは遺伝で決まる」と思うかもしれませんが、遺伝だけですべてが決まるわけではありません。
国立科学博物館と東京大学の調査で、江戸時代の日本人が極めて胴長短足であったことが明らかになったそうです。
縄文人や弥生人と比較しても、江戸時代は明らかに脚が短かったんですって!これはいったいどういうことでしょうか。遺伝子的にはあまり変わらないはずなのに…
江戸時代と言えば、人々はお米や野菜ばかり食べて肉などの動物性タンパク質の摂取量が少なかったですよね。
子供の身長を伸ばすためには良質のタンパク質が必要です。お米をたくさん食べて摂取カロリーは足りていても、身長は伸びなかったのは当然です。
江戸時代の成人男性の平均身長は155cmしかなく、縄文時代よりも低かったことは有名な話です。だから脚も短かったのでしょうか…
正座が子供の脚を短くするってホント?
よく「日本人の脚が短いのはよく正座をするからだ。欧米人は椅子に座る生活なので足が長いのだ」と言われますよね。
そういわれると何となくそんな気がしますが、では子供の頃から茶道や剣道などをしている子は脚が短いでしょうか?そんなことはないように思えますが…
仮に正座の影響で脚が短くなるのであれば、腕の長さは欧米人とあまり変わらず脚だけが短くなるはずです、でも実際は腕が長い人はだいたい脚も長いです。
江戸時代の日本人は身長が低く、かなり胴長短足だったことは先ほど紹介しました。でもそれって、「胴の長さそのもの」は現代とそれほど変わらないということですよね。
胴体には内臓がたくさん詰まっています。したがって、何かの病気でない限りどうしても胴体はある程度長くなるのが当たり前です。
一方、腕や脚はちょっとばかり短くたって見た目がカッコ悪いだけで生命には何ら影響はありませんよね。
つまり栄養状態に関係なく胴体は長くなりますけど、腕や脚は栄養に余裕があって初めて長くなるんじゃないでしょうか。
縄文時代の人たちは狩猟採集の生活で肉や魚、貝などを食べていました。昔の事なので必ずしも十分な量を食べられたとは思えません。
しかし彼らが仮に食べたいだけの量の獲物を得ることができていたら、さらに高身長だったでしょうね、きっと。
ただし遺伝子による限界はあると思います
江戸時代と現代日本人は、遺伝子にはそれほど大きな差はないはずです。遺伝子というものは短期間に劇的に変化することはありません。
江戸時代の日本人が背が低くて胴長短足だったのは、明らかに食事の内容が良くなかったせいです。それが食生活の変化によって長身・脚長になったんです。
でも、残念ながらここ数十年、日本人の身長も脚の長さも頭打ちの状態になっているようですね。もともと遺伝子による限界というものがあり、これ以上は難しいのかもしれません。
遺伝子の限界を超えることはできませんが、「本当はもっと脚が長くなる素質を持っているはずなのに、栄養が良くないせいで脚が伸びなかった」という事態は避けられます。
脚の骨が長く伸びるためには、カルシウムばかり摂取していてもダメでタンパク質をしっかりと摂取する必要があります。
その他マグネシウム・亜鉛・ビタミンDなどもしっかり摂取する必要があります。食生活でこれらが足りているかどうかチェックをすることが大事です。
どうしても食事から十分な量を摂取しにくい栄養素はサプリメントを上手に利用するのもアリだと思います。特にマグネシウムは不足しやすいので、工夫してみてくださいね。